マラソン・陸上競技

2020年出雲駅伝中止!その理由と全日本・箱根駅伝への影響を解説します

10月11日に予定されていた出雲駅伝の中止が正式に発表されました。

ホクレン・バーチャレ・東京選手権など、トラック種目が徐々に再開している中での中止の報道は、私も一駅伝ファンとして非常に残念です。

出雲が中止となると、次は全日本や箱根が中止になるのではないかと心配になる方も多いかと思います。

この記事では出雲が中止になった理由と、全日本・箱根に及ぼす影響をまとめておきます。

中止の理由

今回出雲駅伝の中止に関して、大きく分けて3つの理由が取り上げられています。

・直近の新型コロナウイルス感染の再拡大
・選手、関係者の移動に伴うリスク
・ボランティア(約2000人)の確保ができない

最大のネックはボランティア確保

上記会見でまず挙げているのが、ボランティアの確保ができないことです。

当初予定していたボランティアの大半を感染リスクの高い65歳以上が占めており、
出雲市としては65歳以下の代わりを用意することが難しいとのことです。

① 参加ランナー・チーム関係者、競技役員、大会役員、ボランティアなどが 65 歳以上の方、基礎疾患を有する方の場合、重症化するリスクが高い旨を認識した上で参加いただく。
出典:日本陸上競技連盟公式サイト「ロードレース再開についてのガイダンス(チェックリスト)」Ⅱ-1-(6)

上記日本陸上競技連盟の「ロードレース再開についてのガイダンス」にあるように、実際は65歳以上であっても、リスクが高い旨を認識していれば参加は可能です。

しかし、健康に大きな影響を与える可能性があることですので、これだけ多くのボランティアに理解してもらうのは難しいでしょう。

さらに言えば、現在島根県ではほとんど感染者が出ていません。

仮に65歳未満のボランティアを確保できたとしても、「出雲駅伝のボランティアをする」というだけで感染源扱いされてしまうといった事態も予想されます。

実際の感染リスクは分かりませんが、ボランティア確保が難しくなるのも当然だと思います。

他の地域でも同様の問題が起こる可能性

そもそも、「65歳以下のボランティア確保」というのは新型コロナウイルスの問題がなかったとしても簡単ではありません。

これは私の感覚ですが、ほとんどの地域の陸上競技協会で、競技役員を担っている方の大半は高齢ではないでしょうか。

特に地方になるほど、審判資格を持っていたり競技運営に協力的な若手は少なくなると思います。

今回の出雲駅伝中止の影響により、規模を問わず日本中で陸協主催のロードレース・駅伝が行われなくなるのではないか心配です。

駅伝そのものの感染危険性が問題視されたわけではない

出雲駅伝は中止となりましたが、「駅伝」という競技自体が感染リスクが高いものと判断されたわけではありません

感染リスクが高いのは競技中の選手ではなく、3密になる可能性のある「競技前後の移動中の選手」や「役員、警備、沿道の応援」です。

もし今年度の主要駅伝大会が全て中止になってしまったら、あまりにも選手が報われません。

従来通りの形にはできないかもしれませんが、3密を極力避けて、駅伝(あるいは代替レース)を行う手段を考えていかなければいけないと思います。

全日本大学駅伝の開催は?

主催の日本学生陸上競技連合は大会実施に向けて動いているものと思われます。

そう遠くない時期に、開催可否については発表されるかと思いますので、今は続報を待つしかありません。

しかし、出雲駅伝で挙がった課題を解決するのは簡単ではありません。

懸念点1 距離が長い

区間距離の長い全日本では、その分警備が必要な距離も長くなります。

従って、ボランティアや役員の必要人数も増えるはずです。

これを愛知・三重の二県に跨って調整するのは大変な作業だと思います。

懸念点2 全国から選手が集まる

「全日本」大学駅伝ですので、全国の大学から選手が集まることになります。

感染拡大が広がっている中、地元自治体の理解が容易に得られるとは思えません。

そもそも、駅伝を実施することは、開催地域に対して交通封鎖という不便を強いるものです。

通常であれば、応援客の来訪などによる経済効果も見込めるかもしれません。

しかし、今年は応援自粛となり現地入りは選手のみが推奨される可能性が高いと思います。

現地での食事・観光などによる経済効果も見込めないとなると、開催地域の理解を得るのは難しいように感じます。

箱根駅伝の開催は?

箱根駅伝も出雲駅伝同様の問題が挙がることは間違いありません。

毎年各大学からもボランティア(走路員)が多く参加していますが、根本的な解決にはならないでしょう。

ただし、出場選手・走路員・審判等の関係者が全て関東圏内で完結している分、出雲・全日本よりも移動のリスクは小さいかもしれません。

おそらく、様々なリスクを考慮して実施可否の検討がなされていることと思います。

箱根駅伝についても、公式のアナウンスを待ちましょう。

周回コースでの実施の可能性

正直、いくら観戦自粛を呼びかけたところで、公道で行う大学駅伝を無観客で行うのは不可能でしょう。

とはいえ、特に箱根駅伝は高視聴率を稼ぐビッグイベントです。

各社スポンサーやTV局の事情も考えると、簡単に中止という判断にはならないと思います。

閉鎖された公園の周回コース等で、無観客で開催できる道を探っていくのではないでしょうか。

まとめ

残念ながら出雲駅伝は中止になってしまいました。

まだ全日本と箱根がどのような対応になるかは分かりませんが、

仮に中止になったとしても、一駅伝ファンとして、選手が集大成の走りを見せられる場が設けられることを願っています。