フルマラソンを走るとなった時、気になるのはペース配分ですよね。
これは初心者から上級者まで悩みの種であり、もはや長距離走を走る上での永遠のテーマ(?)と言っても過言ではありません。
前半は気持ちよく走っていたのに、後半大失速して大変な目にあったことがある方も少なくないと思います。
この記事ではマラソンの適正ペースについて書いていきます!
ネガティブスプリット、ポジティブスプリットとは?
ペース配分の考え方は、大きく分けて3種類あります。
ネガティブスプリット:前半よりも後半にペースを上げること
イーブンペース:ゴールタイムから逆算した平均ペースで走り続けること
ポジティブスプリット:後半よりも前半の方が速いこと
それぞれ特長がありますが、私のペース配分に対する基本的な考え方は
なるべく辛い時間を減らす
です。
だってキツいの嫌じゃないですか。
いくらマラソン選手がドMだからと言っても、耐えらえれる限界値ってものがあります。
ポジティブスプリットで走るということは、その分ツラい時間が長くなるということです。
日々厳しいトレーニングを積み、粘り強い性格で、ツラい状況でも走り続けられるような人ならそれでも良いでしょう。
ですが、大多数の市民ランナーは違いますよね?
少なくとも私はなるべく辛い思いをせずに、良いタイムを出したいです。
そのため、基礎走力のある方には、イーブンペース~ネガティブスプリットを推奨しています。
フルマラソン目標タイム別のペース配分
それでは、目標タイム別にペース配分の目安を見ていきましょう。
フルマラソン4時間以上
イーブンペースよりも前半を速く走るポジティブスプリットをお勧めします。
この層の方の特徴として、
・42kmを走り切れる足が出来ていないため、どんなペースで走っても終盤は必ずペースダウンしてしまう
・目標タイムのイーブンペースが普段のジョギングペースよりも遅すぎる
ことが挙げられます。
例①:4時間切りを狙う場合
※イーブンペース:5分40秒/km
0~20km 5分20秒/km
20~30km 5分40秒/km
30~35km 5分50秒/km
35km~ゴール 6分00秒/km
計3時間56分34秒
例②:5時間切りを狙う場合
※イーブンペース:7分06秒/km
0~20km 6分20秒/km
20~30km 7分00秒/km
30~35km 7分30秒/km
35km~ゴール 8分00秒/km
計4時間52分09秒
スタート直後は混雑で思い通りには走れませんから、その分を差し引くとちょうど目標タイムぐらいになるはずです。
フルマラソン2時間40分~サブ4
イーブンペース、または後半を速く走るネガティブスプリットをお勧めします。
この層の方の特徴として
・フルマラソンを最後まで走り切る基礎がある
・目標タイムのイーブンペースが普段のジョギングよりも速い
ことが挙げられます。
実際にネガティブスプリットで走るのは難しいかもしれません。
それでも、後半ペースダウンする前提で走るのではなく、ペースダウンの落ち込み幅を最小限にする意識を持ちましょう。
イーブンペースの±10秒程度に収まることを目安にすると良いでしょう。
例:3時間切りを狙う場合
※イーブンペース:4分15秒
0~30km 4分15秒
30~35km 4分10秒
35km~ゴール4分15秒
ほぼイーブンペースですが、30~35kmで少しペースアップする余力が持てるとベストです。(つまり、20kmではかなり余裕がなければいけません)
フルマラソン2時間40分以内
前半を速く走るポジティブスプリットをお勧めします。
(おそらくこのレベルの方はこんなブログを参考にしないでしょうが・・・)
この層の方の特徴として
・後半ある程度キツくなっても耐えられるハードな練習をこなしている
・集団を作らないとレース中に孤立してしまう
ことが挙げられます。
このレベルの方は集団を作ってレースを進めていきます。
基本的に集団は後半になると崩れていきますが、それでも同じペースで粘る人が周りにいるとリズムを崩さずに走りやすいものです。
仮にネガティブスプリットを目指して前半抑えて走った場合、後半に自分と同じペースで走る人が全くいない状況になりやすいです。
(2時間50分程度までであれば、比較的周囲に人も多いためペースの合う人を見つけやすいです)
とはいえ、後半の落ち込みを少なくすることは重要なので、自分の実力を遥かに超えるペースの集団を利用することは避けましょう。
なぜ前半を速いペースで走ってしまうのか
前述したように、フルマラソン4時間前後の方の場合は、普段のジョギングペースよりもレースのイーブンペースの方が遅い可能性が高いです。
そのため、必然的にポジティブスプリットとなるのですが、
走力が向上して3時間台前半で走れるようになっても同じ考えをして
「マラソンは前半に貯金を作らなければいけない」
と考えてしまうことがあります。
後半までしっかり走り切れる走力があるのであれば、ツラい時間を少なくした方が肉体的にも精神的にも負荷が少ないのは明らかだと思います。
また、陸上競技の経験者はトラックレースの駆け引きがあるため、多少無理してでも先頭集団について走ることがあります。
中高生の部活などでは「前半から攻めて行け」といった指導をする指導者も多くおり、後半にペースアップする走りをしようものなら「そんな消極的で勝てるわけないだろ!!」と怒鳴られることになります。
(個人的にこの件はいろいろ書きたいことがあるのでどこかで記事にしたいですね)
しかし、多少オーバーペースで入っても粘り切れるトラックと、粘る距離が10km以上あるマラソンは全くの別物ということは認識しておくべきです。
まとめ
目標タイム別でフルマラソンのペース配分を解説しました。
ここで紹介した設定タイムはあくまでも目安ですので、それぞれの特性や走力に合わせてアレンジしてみてくださいね。