マラソン練習法

【マラソントレーニング】峠走のやり方・効果・おすすめのコースを解説します

この記事では、峠走の効果とやり方を解説していきます。

マラソン練習として効果が高いという噂は聞いていても、定期的に行っている方はそこまで多くないと思います。

移動の手間がかかるので、峠走は効率が悪いと考えている方も多いのではないでしょうか。

多少時間をかけてでも、峠走にはメリットがたくさんありますよ!

峠走のやり方

峠走は、その名の通りアップダウンの多い峠道を走るトレーニングです。

通常20~30km程度、比較的長めの距離をレースよりも遅いペースで走ることでマラソンに向けた「足づくり」として行われます。

峠走を始める前に

家の近くに峠走ができる環境があるという方は少ないと思います。

その場合は、電車や車などで峠のふもとまで移動し、荷物を置いて(あるいは背負って)走りに行くことになります。

移動の手間や、荷物をコインロッカーに預ける手間が発生するほか、給水は自分で確保する必要があることに注意してください。

一般的には登りと下りの往復コースで行います。

後半は下りで楽になるので、平地ではバテてペースダウンするような状態でも、意外と予定の距離を走り切れるというのが峠走のメリットの一つです。

体力の配分は登りで6割~8割の力を使って、下りが2~4割といったところでしょうか。

下りで体力が残っているからといってペースを上げ過ぎると、故障のリスクが激増するので注意してください。

持ち物

走る距離が長く、またお店や自動販売機の少ない地域であることも多いため、給水・給食は自分で持って走る必要があります。

また、不測の事態が起きた時のために携帯電話やお金も持っておきたいですね。

時期や天候によっては、防寒着が必要な場合もあります。

こういった荷物はランニング用のポーチやリュックに入れて走ると便利ですよ。

峠走の効果

身体的効果

登り坂では心肺機能や筋力の強化が行えます。

登りでどれだけ身体を追い込めるかが峠走の効果を高めるポイントになってきます。

下り坂では接地時に負荷がかかるため、レース後半でも失速しにくい足を作ることができます。

下りは無理にスピードを上げなくても自然と足に負荷がかかります。

楽にスピードの出るフォームを色々と試しながら走ると良いでしょう。

心理的効果

峠走を行うことで、高低差のあるマラソン大会にも抵抗が少なくなっていきます。

「この程度の坂道なら歩かずに走り切れる」

「この傾斜なら今のペースで走っても頂上まで持つ」

こういった感覚を掴むためには、やはりある程度距離のある坂道を走る経験が必要だと思います。

近くに山や峠がないという方も、距離は短くても坂道を積極的に走るようにしてアップダウンに身体を慣らしておくと、レース本番でも坂道に対する抵抗を減らせるのではないでしょうか。

峠走の注意点

故障のリスクが高い

多くの場合、前半登り・後半下りの往復コースで行われるため、疲労した状態で下りを走ることになります。

疲労した状態で負荷のかかりやすい下りを飛ばすと、怪我・故障の原因になります。

下りはペースを上げることよりもフォームを意識して走ると良いでしょう。

また、強度の高い練習ですのでやり過ぎにも注意が必要です。

途中リタイアがしにくい

峠道ですので、交通の便が悪い地域で行うことも多いです。

もしも途中で足を痛めて走れなくなっても、自力で戻るしかありません。

「なんだか足に違和感があるな」

走っている間にそう思ったら、撤退する勇気も必要です。

熱中症のリスクも考えると、真夏に行うのも避けた方が良いと思います。

最悪、タクシーを呼べるように携帯電話やお金を持っておくと良いでしょう。

荷物を持って走る必要がある

大会ではないので、当然エイドステーションはありません。

山奥になると自動販売機もないことが多いでしょう。

真夏に30kmの峠走を行うとしたら、2L以上の水分を持っていくことをおすすめします(もちろん個人差はあります)

荷物の重さでペースも落ちますが、安全の方が重要です。

このあたりはトレイルランニングの考え方に近いと思います。

そもそも峠走の目的はスピードを鍛えることではなく、長い距離を走るための足づくりですからね。

(スピードを鍛えたいのなら、平地でインターバル走をやりましょう)

「荷物を持ったら走りずらいし、スピードが落ちるから嫌だ」

どうしてもこう思ってしまう方は無理に峠走をせずに、平地の周回コースを使ってレースペースの距離走を行えばいいんですから。

交通事故の危険がある

そもそもランナーは多くの場合、交通事故のリスクを常に抱えています。

自宅周辺の道を走っていたら角から車が飛び出てくることもあるでしょう。

公園のジョギングコースを走っている時でさえ、自転車と接触するかもしれません。

峠走は道幅が狭く、コースに歩道がないこともあります。

自動車はもちろん、峠道はロードバイクの練習にも使われることが多いので、意外と車両の通行は多いです。

対向車との接触を避けるために、1列で左側通行を心掛けましょう。

仲間と話しながら横1列に並んで走るなんてことは危険なのでやめましょうね。

また、イヤホンをしていると周囲の音が聞こえず、車両の接近に気付かないことがあります。

どうしても音楽が手放せない方は、骨伝導イヤホンを使うと良いでしょう。

首都圏で峠走におすすめの場所

足柄峠

岩本能史さんの本で紹介されて有名になった峠走のメッカです。

スタート地点となるJR山北駅には「さくらの湯」という温泉施設があります。

コインロッカーもあるため、峠走のスタートからゴール後の入浴までがスムーズですね。

ヤビツ峠

こちらもよく峠走に使われる場所です。

コース最寄りは小田急線秦野駅で、足柄峠よりも首都圏からのアクセスが良いです。

基本的には秦野駅のコインロッカーに荷物を預けてスタートする流れになります。

お風呂は秦野駅から1km程のところにある万葉の湯を利用するといいでしょう。

箱根駅伝5区6区

箱根ランナー気分を味わえるコースです。

箱根湯本駅をスタートして、芦ノ湖で折り返します。

体力に自信のある方は小田原駅から走っても良いでしょう。

どちらも観光地なので、駅にコインロッカーはたくさんあります。

コース途中にはコンビニもたくさんありますし、ゴール後には温泉を楽しめます。

もし途中で足を痛めてもバスや電車を使って簡単に箱根湯本に戻れるのは初心者にとって嬉しいですね。

ただし、交通量が多いので車との接触には気を付けてくださいね!

都民の森

JR武蔵五日市駅がスタート地点となるコースです。

トレイルランニングやロードバイクの練習で有名な地域ですが、峠走として使うと都民の森までは片道30km以上あって少し長いですね。

割り切って都民の森まで行かずに折り返すか、登りだけひたすら30km走ってバスで帰ってくると良いでしょう。

周辺には「つるつる温泉」「瀬音の湯」といった温泉施設や、ランステとして利用できる「東京裏山ベース」があります。

奥武蔵グリーンライン

西武線吾野駅や八高線毛呂駅から顔振峠などを目指すルートがメジャーです。

他の場所と違って、アップダウンを繰り返すコース設定や、行きと帰りで異なるコースを通るなどのアレンジが可能です。

その分、分岐もあるため、道を間違えないように注意が必要です。

まとめ

峠走はマラソンの記録向上狙うには非常に効果的な練習です。

みなさんもぜひ自宅近くのコースを探してみてください。

怪我や事故には注意しながら、走力向上を目指して安全に行いましょう!