ホクレンディスタンスチャレンジが4戦全て終わりました。
今年はコロナ禍で実質日本初となる、トップレベルの選手が多数出場する陸上競技記録会ということで、非常に注目を集めていました。
結果は以下にご紹介する通り、好記録が連発。
僕も正直理解が追い付いていません。笑
ホクレンディスタンスチャレンジとは
初夏に毎年北海道で行われる中長距離の記録会です。
比較的気温も低くなり好記録が狙えるため、多くのトップ選手が出場します。
主な好記録
7/4(土)士別大会
・1500m
田中希実選手 4分08秒68(日本歴代2位)
・3000m
遠藤日向選手 7分49秒90(日本歴代5位)
7/8(水)深川大会
・10000m
ベナード・コエチ選手 27分14秒84
伊藤達彦選手 27分58秒43
・3000m
田中希実選手 8分41秒35(日本新)
萩谷楓選手 8分48秒12(日本歴代3位)
7/15(水)網走大会
・5000m
長谷川柊選手 13分28秒30
中西大翔選手 13分42秒24(國學院大新)
田中希実選手 15分02秒62
萩谷楓選手 15分05秒78(日本歴代6位)
・10000m
服部勇馬選手 27分56秒32
7/18(土)千歳大会
・5000m
遠藤日向選手 13分18秒99(日本歴代7位)
吉井大和選手 13分28秒31(U20日本新)
石田洸介選手 13分36秒89(高校新)
一山麻緒選手 15分06秒66(日本歴代8位)
・3000mSC
三浦龍司選手 8分19秒37(日本歴代2位、U20日本新)
山口浩勢選手 8分25秒04(日本歴代5位)
青木涼真選手 8分25秒85(日本歴代6位)
・10000m
鈴木健吾選手 27分57秒84
その他、自己新を出した選手となると数えきれません。
特に千歳大会は異常なまでの好記録連発となりました!
好記録の要因① ナイキ厚底シューズ
男子は多くの選手が着用
何かと話題のナイキ厚底シューズ。
今回のホクレンディスタンスチャレンジでも多くの選手が
・ヴェイパーフライ ネクスト%
・アルファフライ ネクスト%
・エアズームヴィクトリー
・ズームエックス ドラゴンフライ
といったナイキのカーボンプレート入り(あるいはズームエックスフォーム入り)シューズを履いていました。
男子では上位の殆どの選手が履いていたのではないでしょうか。
女子選手にはあまり浸透していない
一方で、女子選手はナイキ独占という状況ではなさそうです。
一山選手 ナイキ
田中選手 ニューバランス
萩谷選手 ミムラボ
前田選手 アシックス
田中選手がニューバランスを使用して好記録を出しているのが印象的ですね。
男子でナイキを使用しなかったのは?
そんな中、デサントのシューズで走ったのが故障明けの塩尻選手(富士通)です。
故障明けにも関わらず、千歳大会で組トップの13分39秒79で見事ゴールしました。
ナイキ一強状態の中、デサントのカーボンプレート入り薄底「ゲンテン」を使用しての復活が楽しみですね。
好記録の要因② 今季の出場試合数が少ない
他に考えられる要因としては、3月~6月までほとんど試合が行われなかったことが考えられます。
普通は3カ月以上試合に出場しないことはない
トラックから駅伝・マラソンまでこなす長距離選手にとって、3カ月以上試合に出場しないということはめったにありません。
1~3月のマラソン・駅伝シーズンを終えて、すぐに4月からはトラックシーズンが始まります。
しかも通常は「試合に慣れるため」に本命レースの前に何度か記録会等に出場するため、年間を通して殆ど休みの期間がないのです。
レースを走らないことが好影響を与えたかも
調整の一環としての出場だとしても、レースへの出場はやはり疲労が蓄積するのかもしれませんね。
また、コロナの影響で練習環境も満足に確保できなかったという選手も多かったと思いますが、それも逆に良かったのかもしれません。
心理的にも、「出たくても試合に出られない」「次の機会がいつなのか分からない」といった状況がプラスに働いた可能性もあるのではないでしょうか。
このあたりはスポーツ科学分野の方にぜひ研究して頂きたいですね。
ひょっとしたら、今後は数か月単位でじっくり練習を積む調整方法がスタンダードになっていくかもしれません。
まとめ
・2020年のホクレンディスタンスチャレンジで好記録が続出!
・ナイキ厚底シューズのブームは健在
・長期で試合が行われなかったことが記録に影響を与えたかも!?
暗いニュースも多い世の中ですが、今年も陸上界は面白くなりそうですね!